季節の贈りもの
7月の彩り
 梅雨明け宣言は無いものの、予報にはお天気マークが続いています。空が少し高くなり、風の中の湿り気が少なくなったような気がする7月の中旬です。晴れた日には木陰が恋しい季節になりました。刻々と変化する季節を楽しみながら追いかけていましたら、月日はどんどん過ぎて今年も後半に入っておりました。時は駆け足、心して過ごさねばと急に思ったりしています。6月後半に馬手葉椎(待てば椎)に巣掛けをした雉鳩の雛が2羽育ち、昨日巣立ちをしました。それでも遠くには行かずに、庭木の枝をチョコチョコと移動し、まだかなり危なかしい飛び方で少しだけ飛び、あわてて近くの木に掴まり、体をぐらぐらさせています。いつも近くの枝でその様子を見守っている親鳥に、人の子の親と同じ眼差しを感じます。瑞々しい命が躍動する季節がもうそこまで来ています。

 
七夕

短冊に願いごとを書いて笹につけた思い出はどなたも
お持ちのことでしょう。今年の七夕の空は不安定でした
けれど牽牛と織姫は年に一度の逢瀬が叶なったので
しょうか。今月の茶室には七夕に因んで糸巻き棚が
出るはず、お菓子にも天の川など趣向にちょっと遊び
があって楽しみです。梅雨明けまじかのこの時期の
この行事は、良い夏の兆しのように華やかで、心も
浮き立ちます。今年は孫が曽祖父の法要に参列の
ため、例年よりも早く帰国して日本の祭りに加わりま
した。きれいな星や折り紙の飾りには幼い子も魅せら
れるのでしょう。大はしゃぎしておりました。
字は書けませんのでシール貼りや絵で参加して
くれました。空の物語は夢があって良いですね。
こんな飾りが出来ました。


 
7月の玄関飾り

ゴルフ帽:焼成温度950℃
 

7月のショーケースから
一足早い夏飾りです


 
一足早い夏の訪れ

焼成温度:925℃

 
薔薇の花束

2005年7月、夫に付き添って日赤医療センターに行った帰りのことです。玉川学園前の踏み切りを越えた直後に
夫は運転手さんの肩をたたき、かすかでしたがしっかりした声で花屋に寄ってくれるようにと伝えました。すぐ近く
に馴染みの花屋があるのです。そしてその花屋の店頭に立ち、濃淡のピンクの薔薇を選び、カスミソウを添えた
花束を作ってほしいと若い店員さんに頼みました。夏のこととて花が少なく、大輪の薔薇が無いのを大層残念が
っていましたけれど、それはとても可愛いらしい花束に仕上がりました。それを受け取り、私に「おめでとう」と渡し
てくれたのです。夫が旅立つ一ヶ月前、私の誕生日の出来事でした。その花束は他のバラ達と一緒にドライフラ
ワーになって今も私の傍らで咲き続けてくれています。それぞれの思い出をそっと語りかけながら。


 
7月の庭

雨の日が多く、手入れの行き届かない木々は
伸び放題。木の花たちは影をひそめ、緑ばかり
が際立ちます。でも日照不足にもめげず木陰に
は夏の宿根草達が復活してきています。
華やかさには欠けますけれど、彼らのお陰で、
殺風景な庭にも少し彩りが加わり始めました。

 


ねじ花

蛍袋

緑貴船

姫フウロ

瑠璃菊(ストケシア)

リクニス

おいらん草(フロックス)

紅花サルビア

薮萱草

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