5月23日 
一部変更
季節の贈りもの
5月の彩り
 若菜色、若草色、浅黄色、萌黄色・・・5月の初々しい緑を表現する言葉の豊富なこと、この季節を待ちわびる気持の現われでしょうか。雨上がりの庭に新緑が眩いばかりです。気温も暑からず寒からず、羽織るものが不要となって体ばかりか心まで軽くなった気分です。ついこの間まで、あんなに固かった木の芽が芽吹いて広がるのに3週間と掛かりませんでした。今年はやはり季節が早足のように感じられます。風の爽やかさ、緑の輝き、花たちの華やぎに身を浸したいと思います。

 
端午の節句
 5月の始め、人形店の店先は武者人形や兜、旗幟、それに花菖蒲も添えられて美しく賑やかです。川の両岸に渡した綱に泳ぐ沢山の緋鯉、真鯉の姿も壮観です。でも以前はよく見かけた農家の庭先に翻る大きな吹流しや鯉の泳ぐ風景を見ることは少なくなりました。両親が私の息子達に鯉幟を贈ってくれたのにならって、私も孫息子の初節句に3メートルの真鯉と緋鯉を贈りました。国旗を掲揚するポールに結ばれた鯉は今ボストンの空を元気に泳いでいるそうです。

稚児武者人形

 孫がモデルの武者人形、高さ30cm
釉薬の融点の違いに合わせて3回に分けて焼成。
鎧の黒:1200℃ 衣類と靴:920℃ 鎧兜の飾り:825℃


 
5月の飾りつけ
玄関

Home Sweet Home(薔薇:焼成温度900℃)

5月のショーケースから


5月のショーケース

春の天使

春の装い

春の妖精

陶の花たち

磁器の花たち

 
母の日に寄せて
 私には夫の母と私の母、二人の元気な母がいます。きれいな花が大好きな94歳の夫の母にはカーネーションの大きなリースにカードを添えて、若々しい洋服が好みの91歳の母には渋いピンクのカーディガンを贈りました。そして私にも好みを承知の子供達から花とリースの贈りものが届きました。家の中も心も華やいでいます。

20本の赤い薔薇:長男から

ブーケ:次男から

ピンクのリース:長女から

 
May Bride
 夫は担当医師から車の運転を3月の時点で止められていました。でもそんなことは少しも意に介さず「自分のことは自分が一番よく分かるよ」と娘の披露宴の打ち合わせに丸の内のホテルへ、ドレスの試着に付き合って麻布へ、青山墓地の桜トンネルを端から端まで見せてくれたこともありました。「ここが東京で一番さくらが綺麗な所だと思うよ」と。式の間に何の支障も起こらないようにと、その前一週間を日赤医療センターに通い続け、考えられる手立ては全て尽くして当日を迎えたのでした。2005年5月末のことです。親族21人を英語で紹介するのに、もしもを懸念して控える私の出番はなく、総てを休まず一人でやり通し、新婦の父としての挨拶も長男を通訳として、滞ることなくやり遂げました。プロのハープ奏者である新郎の姉、アボリジニの楽器ディジャディドゥの演奏家の新郎の友人それぞれの演奏とデュエットの見事さに夫は「こんなに聴き応えのあるコンサートはめったに無いね」と宴を心から満喫しておりました。それからの3ヶ月の間、その時の調べは夫の心の中でずっと響き続けていたようです。ふとした時に何とも言えないやわらかい笑みが顔をよぎることがありましたから。娘達の新婚旅行は京都でしたが、そこに新郎の友人5人と義妹が合流して、娘はさながらツアーコンダクター兼通訳で過ごしたと話すのを大層愉快そうに聞いてもおりました。どんな時にも穏やかさを保って過ごした夫との時間は、限りある日々でさえも温もりに充ちておりました。5月は若緑と花々の色、そしてドレスとブーケの白と多彩です。

 
花と

玄関外周り

 玄関周りの花たちの勢いは留まるところを知りません。でも生育があまりに早いので、そろそろ息切れしてくる花も多くなります。パンジーは枝が伸び過ぎて花を上向きに保つのが難しくなってきました。そろそろ夏花への入れ替えを考える時期でもあります。夏の強い日差しと乾燥に耐えて、秋まで咲き続けてくれる花は何が良いのでしょうか。インペイシェンスは日差しに弱く、ペチュニアは雨に弱い。ベコニア、ペンタス、ゼラニューム、ラベンダー、ロベリア、バーベナ・・・迷いに迷う5月です。


ハンギングはクレマティス
リースは娘からのプレゼント



階段左の花壇

ハンギングの下の花壇

向かって右の花壇の薔薇

同じ場所のチェリーセージ

緑広がる庭

 4月の終わり頃から藤や躑躅がどんどん開いて、あれよあれよという間に庭は木の花と濃淡の緑とで覆いつくされました。陽当たりを考えて植えたつもりの草花たちはすっかり木の陰に包まれてしまっています。繁茂した枝を抱えて木々は雨の度に重たそうにうつむいています。草の勢いが芝生よりもはるかに強く、放っておけば庭中を覆うのは時間の問題です。花の植え替え、木の刈り込み、芝の手入れと外の仕事が限なくある季節です。自然は沢山の喜びを齎してくれますけれど、少しも手を抜くことを許してはくれません。時に季節の早足に追いついていけなくなることもあります。気付くと花が盛りを過ぎていたり、花壇が草に占領されていたり。植物に背中を押されながら小まめに動くことで、楽しみと一緒に健康というご褒美も受け取っているのかもしれません。
緑濃い木陰

緑さまざま
躑躅
燈台躑躅
姫うつぎ

小手毬
山ぼうし
 
 
蘇った宿根草
 春先からポツポツと戻り始めていた花たちも緑の広がりに合わせて一気に花数を増やしています。日陰になってしまった所も多いのですが、庭のあちこちに元気な姿を見せてくれています。下は勿忘草、ペラルゴニューム、姫緋扇、スカピオサ、リップセージ、昼咲き桃色月見草、すずらん、都忘れなど。

6月の彩り

彩の12ヶ月 目次