季節の贈りもの
3月の彩り(2)
ようやく春の気配が・・・
 鬩ぎあっていた季節もどうやら春に軍配が上がったようです。中旬に入るとにわかに空気がぬくもり始めました。菜種梅雨というのでしょうか雨がよく降り、一雨ごとに木々の葉芽、花芽が膨らんで来るのが分かります。地植えの花たちが次々に咲き始めました。生まれたばかりの春色を楽しめる季節の到来です。

 
雛祭り後の玄関

お気に入りの磁器人形。手に持つ花も洋服、ティーセットの柄も薔薇です。

 
玄関ポーチ

ようやく観葉植物が外の気温に耐えられる季節になりました。
春待ちの白薔薇のリースもピンクに交換です。

 
彼方の岸
 彼岸とはどのようなところなのでしょうか。洛北蓮華寺の書院に座して庭を眺めます。庭の中心をなす池には舟石が用意され、彼方の岸には蓬莱山の姿が見えます。でもここの舟石は舳先が此岸に向かっているのはどうしてでしょうか。此岸に戻る人を送ってきたところなのかもしれません。見え隠れする石灯篭は関所の印と説明して下さった方がありました。彼方の岸に着いた彼は、いくつかの関所を無事通過して、ここから見える向こう岸のように、木々が程よく配された美しい風景の中に住まいを定めたことでしょう。73-7番地。「ラッキーセブンが重なって縁起が良いから」と彼が自ら選んだ終の棲家のアドレスです。でもご当人は彼岸と此岸との行き来に忙しい様子で留守がちのようです。ある時は新幹線の中で、ある時はストー・カントリークラブで、ある時は北八・横岳の白駒の池近くで、ブラッセルのグランプラスにあるジャズクラブで見かけたという方もいらっしゃいます。でも私がピンクの薔薇を携えて訪れた日、彼の人は門口で待っていてくれました。「ようやく少し暖かくなったから、暫くはここで楽しむよ」と。門の奥の石に刻まれた「憩う」は彼の長年の憧れだった由、「字も気に入っているよ」と私を喜ばせてくれます。暫く語らって戻りました。桜はまだ蕾のまま。「満開の頃に又来るわね」と約束して。そう言えば彼岸がどのような所なのかは尋ね忘れました。
 

 
3月の庭
 耐寒性の花壇の洋花はこのところの日差しに応えて盛り上がるように咲いています。庭に地植えの花たちも寒さを通り抜けて2月の終わり頃から芽を出し始め、このところの暖かさに次々に花の数を増やしています。彩が急速に広がって、日毎に様子が変わっていきます。思いがけない出会いを期待して、庭に出る回数が増えました。 

陽だまりの野菫

勿忘草

スカピオサ(西洋松虫草)

地植えジュリアン

遅咲きクリスマスローズ

蕾を沢山つけた桜草

苧環(ピンク)

苧環(ローズ)

初咲きミニ薔薇

花桃(昨春植え付け)
3月15日撮影

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