九月の茶室
 例年になく、激しい雷雨の日が多い秋の入りとなりました。天候が少し落ち着いて、庭に出てみますと、もう薄の穂が揺れ、ほととぎすが咲き乱れています。名残のつくつく法師の声もまだ儚げに聴こえますが、陽が落ちる頃には虫の声にはかき消されてしまいます。茶室も外の景色を写して、夏の名残を留めながらも、少しづつ次の季節への準備に入っています。

 
 
 
九月の茶室全景

軸:茶  花:時のもの


 
 
九月の床の間
「茶」 「是長寿友」

 敬老の日に因んで

花:秋海棠、金水引、吾亦紅、檜扇、丸葉藤袴、
蓮華升麻(レンゲショウマ)、雁草(カリガネソウ)

花:玉紫陽花、鷹の羽薄、薮茗荷、黄蓮華升麻
水引草、唐糸草、節黒仙翁

花:水引草、金水引草、雁草、秋海棠
河原撫子、杜鵑、薮蘭


 
 
棚物 

木屋町棚 

この棚は表千家十一代碌々斎好みと言われています。三角形の引出しの中に薄茶器を納めます。引き出しを外すと、香狭間(こうざま)の透かしが施され(写真向って右)、二段の棚として使うことも出来ます。またこの透かしの柄を梅にした棚は表千家十二代惺斎好みの好文棚と言い、柄ゆきから主に梅の季節に使われるようです。
茶入:秋草 水指:薩摩 手毬   

 
 
濃茶入と濃茶茶碗

茶碗:萩茶碗  茶入仕服:藤種緞子

茶入:瀬戸 茄子型

 
薄茶器と薄茶茶碗


茶碗:瀬戸焼 竜田川    茶器:寸切棗 秋草  


 
 
九月の菓子

仲秋

夜空

老松

蕎麦饅頭

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