七種の蓋置

 9月は夏ものは時期遅れ、冬ものは時期尚早の観がありますので、通年使えるものをと考えて蓋置に落ち着きました。蓋置はご存知の通り、釜の蓋や柄杓の「合(ごう)」を乗せる茶道具です。
金属、陶磁器、木、竹製がありますが、陶製のものは時期を問わず使います。材料も形も実に多岐に渡りますが、蓋置の基本の形は、千利休が選んだと言われる 
1)火舎香炉 2)五徳 3)三葉 4)一閑人 5)栄螺 
6)三人形 7)蟹の七種の蓋置と考えられています。
七種のうち五種は既に作ってありましたので、残る火舎香炉と三人形を加えて七種の蓋置を完成させました。


 

1) 火舎香炉

蓋置として使う時は、香炉の
蓋を返して下の形にする。

 
 

制作の流れ



成形

素焼後

施釉後

 
土:
釉薬:
焼成温度:
焼成時間:
焼成方法:
寸法:
磁土
織部
1230℃
7時間
酸化
8.5cm


 

2) 五徳



 

3) 三葉



 

4) 一閑人

井戸にしがみ付いて中を覗いて
いる唐人を模ったもの。

使う時は、正客に頭を向けて
倒した形で使用する。



横から

後ろから


 

5) 栄螺

使う時は上向きにする



 

6) 三人形
唐子3人が後ろ向きに手を繋いでいる姿を
模したもの。

使う時は、羽織を着た人形
を正面に据えて使用する。

 
 

制作の流れ
唐子人形は紙のロールを作り、それに寄り掛からせて繋げていき、
ロールごと素焼をしました。



 
土:
釉薬:
焼成温度:
焼成時間:
焼成方法:
低温釉薬:
 

焼成温度:
焼成方法:
焼成時間:
寸法:

磁土
黒、黄瀬戸
1200℃
6時間
酸化
透明、白
黄、緑、
紫、藤色
900℃
酸化
4時間
5.5cm


 

7)蟹



 

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