秋色の茶陶器

 10月になりました。茶室ではまだ夏の名残の風炉点前ですが、外はさしもの暑さも去り、穏やかな日差しに薄の穂が揺れる季節を迎えています。店先にはオレンジ色がちらちらとし始め、ショーウインドーは落ち着いた彩りに飾り付けられています。
 こうした時期には茶陶器にも秋色や秋の華やぎを取り入れて、温もりを感ずるものを作ってみたくなります。今月は、かぼちゃ色に枯葉を散らした水指と、錦をイメージした、少し厚手の濃茶茶碗、それに菊型に菊の花を散らした菓子器を作ってみました。秋がいっそう身近になった気がします。


 
 

kur瓢型水指


土:
釉薬:
焼成温度:
焼成時間:
焼成方法:
水指高さ:
口径:
直径:
蓋直径:
共蓋付高さ:
信楽赤
黄、秋葉色
1050℃
6.5時間
酸化
12cm
12cm
14.5cm
10.5cm
15cm

 

制作の流れ


成形完了

素焼後施釉

本焼完了

蓋と受け口

 
 
 

黒楽濃茶茶碗(錦)


黒楽は深く、温もりのある黒を出したいと思いました。最初の本焼の結果は何か薄っぺらな感じになってしまいましたので、再度釉薬を施し、2度焼してみました。その結果艶のある深い黒が現れて、安堵しました。

 
土:
釉薬:
金釉薬:
焼成温度:
焼成時間:
焼成方法:
高さ:
口径:
信楽並
楽釉 黒
メタリックゴールド
850℃
5時間
酸化
11.2cm
8cm

 

制作の流れ


成形後金を入れる

素焼後

施釉2回目

本焼後

 
 
 

菊型菓子器


土:
釉薬:
焼成温度:
焼成時間:
焼成方法:
直径:
高さ:
信楽並
黄瀬戸、織部
1230℃
8時間
酸化
21cm
5cm

 

制作の流れ


成形後

素焼後

施釉後

本焼後

 

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