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今年の梅雨入りは6月5日でした。 入梅から連日の激しい雨が続いて、猛暑日が続いた後の日本列島は、今は豪雨に曝されています。悲しい被害や事故のニュースに胸が痛む日々です。 水無月は私にとっては父の月でもあります。11年前の6月1日から30日まで、一日も欠かさず父の許に通い続けた、忘れることのできない一ヵ月なのです。 このひんやりとして重い空気が、私の心に、そして記憶にあの日々を運んできます。 それは淋しくて哀しい記憶ですけれど、でも父が私の傍に居てくれた愛しい月日でもあるのです。あの頃が本当に懐かしい。 父が何よりも大切にした「家族の安穏」、それが私の今の生活の中枢になっています。大きな決断を迫られる時、父の物差しが私のそれになっているのを感じています。親とは有難いもの、いつも道標になってくれます。 今は母と共に、以前にも増して穏やかな日々を過ごしていることでしょう。 いつもお茶の時間をゆっくりと楽しんでいた両親へと、夫婦湯呑を焼きました。 掌に湯呑を納めて、目を細めている父と母の様子が目に浮かびます。 どうしてあんなに穏やかに生きることが出来たのでしょう。永遠の目標です。 |
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父の日に出さぬ手紙をしたためる小糠雨ふる庭にむかひて
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