今年の弥生の日々はつらい思いの中で過ぎていきました。そして迎えた花ど
きに、華やぎはありません。春を見ることも無く、1万人を越える方々があの日を境に旅立たれました。
春待つ思いが一入の雪国で、寒が去って花の季節が訪れれば、花を愛で、春を
楽しまれたに違いない方々。その方々の悲しい終末を、花はいたわり、魂をそっとつつんで差し上げることでしょう。
北国にもようやく春が芽ばえる季節、花咲く美しい日本の春を、悲しみの旅に
出られた方々に捧げ、心からの祈りを捧げたいと思います。
少しぬくもりのやってきた朝、川辺を歩いてみましたら、明るい陽ざしが届く
一枝に、開き始めた一輪を見つけました。ようやく季節は巡ってきたようです。
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