茶碗は,一番作り安い道具と思って始めましたが、実際は大違いでした。掌に置いた時の手頃な重さ、手にしっくりと馴染む曲線、大きさ、手触り、目的に適った姿、その一つ一つが備わって始めて茶碗としての用をなすのだということを、そしてそれを得ることがどれほどに難しいことなのかを作り始めて思い知らされました。何回形にしてみても、使用に耐えるものは容易には生まれませんでした。作った数はゆうに100個を越えている筈ですが、点前に使えるものはわずかです。ここに載せました茶碗は、母や社中の皆さんに可愛がられ、私も愛着を感じているもの達です。 |
濃茶茶碗は申すまでも無く、濃茶を立てるための茶碗です。一客一亭の場合もありますが、通常は何人かが申し合わせでいただく場合が多いようです。茶碗は、厚手、深めにし、どっしりとした姿に作ってあります。一般的に無地が多く、絵付けをしてあっても派手な色目は使わないようです。私の場合もそれに則っています。 |
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こちらは、随分自由度があります。美しい色絵付けもありますし、形も平茶碗、馬盥形茶碗、沓形茶碗、筒茶碗、いわゆる茶碗形などなどと変化が楽しめます。一般的に濃茶茶碗に比べて、薄手で軽めに作ってあるものが多いようです。私の薄茶茶碗も形、大きさ、土、釉は様々ですし、濃茶茶碗に比べてずっと薄手に作ってあります。基本的には一碗に一客分の茶を点てますが、申し合わせでいただくこともあります。 |
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