2012年5月
5月の歌二首
卆寿越えしふたりの母の輝きを祝いて赤き薔薇を贈らむ
稚児の百合黄花ほうちゃく鳴子ゆり幼な草さく皐月の苑に
その賑やかな花壇の反対側に、空を突いて立つやまぼうしの木があります。 この木を植えたのは13年前。その時に木の根元を囲むように、小さな花苑を作りま した。自然石でぐるりと囲いをして。陽があまり当らないこの場所に、母から贈られた山野草や茶花を植え込みました。
毎年子供の日が近づくこの頃になると、私の待ちわびている3種類の花が可愛 い姿を見せてくれます。 名前もゆかしい稚児百合、黄花宝鐸(鈴)草、鳴子(揺らして音を出す農具)百 合、。どれもとても小さくて、それぞれ1cm足らず、いたいけな幼子のようにあどけない面ざしです。
近づいて覗き込まなければ、見落としてしまいそうな彼らをいち早く見つけた くて、この時期は毎朝花苑通いです。
2011年5月
5月の一首
幼な子の面ざし映す武者人形に乃吾ちゃん元気と声かけてみる
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