季 節の彩り
(春)
2013年(3月〜5 月)
降っ た雪が凍ったまま一週間も消えずにいるほど寒い冬の後に、急に春がやってきました。春一番が吹いたのは3月1日のこと。2月を雪のボストンで過ごして戻っ た身には季節を何か月もすっ飛ばしてしまったような戸惑いの日々でした。時差がなかなか取れない、いつも眠気を抱えているようなしゃんとしない日が一週間 ほど続 きました。年齢のせいもあるのでしょうけれど、気温が無関係ではないと私は思っています。一気に春が来て花達は大慌てです。3月16日に東京でも桜の開 花が確認されたと聞きましたけれど、今日(3月22日)はもう満開とのこと、桜の名所には場所取りの人が早い時間から待機中と、先ほどニュースで言っておりました。花は 待つ間が 楽しいのに、こんなに慌ただしくては追いかけるのが大変です。私は少し遅れても空いている方が良いので、来週初めにでもドライブしてみようと思っていま す。買い物の行き来に見る桜が日毎に進んでいるのは目にも確か、この暖かい気候が、花達を急かしているのでしょう。去年の3月入りは雪のあ したで始まったと、日記にありました。年々季節が穏やかさを見失っているように思えて、ちょっと不安になります。
母のいない春、油断をしていると不意に心 に寂しさが忍び込みます。花を愛でて、母と声にならない会話を交わす日々です。






お雛様をボストンで祝って
娘の家に小さな内裏雛を持って行きました。雛菓子と一緒 に。
おみやげにもした色とりどりの
お菓子は、アメリカ人に好評
でした。「日本のものはなんでも美しい」と。包み紙、包み方、
紐のかけ方と言われて、改め て「本当にそう」と思います。
今年は日本に居る時よりも
丁寧にお雛様に向き合った
ような気がします。





すみれの想い出 3月22日

今日すみれの花が、日溜りに咲いているのに気付きましたきました。
この花は、幼い頃に野原で摘んで、母に贈った思い出に繋がります。

 富士を見ながら育った清水の長閑な日々のことです。
黄色い菜の花畑や青々とした麦畑が広 がっていました。

春の野原には
やわらかい草がじゅうたんのように敷き詰められていて、

はだしの足の裏をやさしくつんつんとつつきます。

仰向けに寝転んで眺 めた空が真っ青でした。

 母が編んでくれた赤い模様を編み込んだ黄色いセーター、
あれは今も何処かにしまってあるはずです。





今年の桜

何もかもが急ぎ足、桜もご多分に漏れず4東京では月22日に開花宣言。
計画されていた桜祭りは、いたる所で中止になりました。

桜ドライヴ(2013年3月26日)
息子が桜ドライヴを誘ってくれました。急なこととて遠出はせずに、馴染んだところ、心に残っているところを回ってもらいました。
夫と歩いた野津田公園、母を見送った南多摩斎場、父とも母とも夫ともよくドライヴした玉川学園、どこの桜もやさしくて、心が慰められました。

野津田公園


南多摩斎場


玉川学園





今年のイースター(3月31日)
 ボストンで沢山の野兎と卵を見て、楽しんできてしまいましたから、
イースターはもう終わった
行事のように感じられていまいち気合が入りません。
ショーケースにはイースターグッズが跳ねていますけれど、
毎年楽しみに見に来てくれた母が
いないのですから、
やる気が出ないのも致し方ないのでしょうか。
母の写真の脇には今年ボストンで求め
きた兎を飾ってあります。




春を彩った木々の花
急ぎ足の花たち
急な春到来で、花たちは大慌てのようです。そんなに急がなくても
良いのに、待ったなしで次々開いて行きます。楽しいのですけれど、
ゆっくりと愛でているいとまがありません。咲いた順に並べてみました。

3月の木の花

藪椿(3月12日)

乙女椿(3月19日)


海棠(3月20日綻ぶ)

紅朴伴(唐子咲き)(3月23日)


4月の木の花

石楠花(4月2日)

藤(4月8日)


斑入り(紅白)椿(4月12日)

八重咲椿「笑顔」(4月15日)


ハナミズキ(4月20日)

赤い石楠花(4月23日)





海棠のlight up 4月1日
今年初めての試みです。
昼間可憐な様子と異なり
妖艶な姿を見せてくれました。



 
長州を旅して(4月24日〜26日)

夫の遠い親戚に当たる人に松田正平という画家がいます。夫が上京して、
都立戸山高校に通ったのは、この松田さんのお宅からでした。その頃に
描かれた薔薇の絵があります。夫が記念に頂いて大切にしているものです。
この度、山口県立美術館で松田さんの絵の展覧会が開かれることになった時
この絵にも白羽の矢が立って、4月中旬から展示が始まっていたのです。
見慣れた絵であっても他の絵の中にある様子が眺めたくて、出かけてみる
ことにしました。長州は始めてという友人がこの旅に同行してくれましたから
久しぶりに、山口、萩をゆっくり楽しむ機会にもなりました。

創業330年の歴史を持つ松田屋ホテル、サービスも料理も文句無しでした。


瑠璃光寺(曹洞宗)とこの塔を中心にこの周辺は、香山公園
と呼ばれ、梅の頃桜の頃もとても美しい所です。
大内文化を象徴すると言われる美しい5重の塔は国宝です。


あまりにも有名な松下村塾。 二間から成るこの建物が、明治維新の立役者を
育てた場所です。


毛利家の菩提寺の一つ東光寺、灯篭は家臣から献納されたものとのことです。


萩港に繋がる松本川、夕刻釣り船、観光船が係留されています。海が近いのに
潮の匂いがしないのが不思議です。


菊が浜 日本海の海は白波が立って、水は深い蒼でした。




山口、宇部再訪
 一ヵ月前に山口を訪ねた時には宇部に住む夫の母とのゆっくりした時間が取れませんでした。
その後の母の日の電話で、「また会いに来てくださいね、待っていますよ」と母はやさしいイントネーションで語りかけてくれたのです。矢も楯もたまらず宇部に出かけたくなりました。
今回は息子が「僕も久しぶりにお会いしたいから」と同行することになりました。
一泊の急ぎ旅でしたけれど、行って本当に良かったと思います。母とのとっても良い時間が持てましたから。
母の笑顔のなんと温かく和やかだったことか、母よりも私達が励まされる旅となりました。
また近い内に出かけたいなあとしきりに思っています。


宇部到着30分前、小豆島上空です。


新田に着きました。いつも変わらぬ佇まいにほっとします。


この度も松田屋ホテルにお世話になりました。


朝7時 聴こえるのは小鳥のさえずりと水の音だけ。


薩長連合の密談が行われたという松田やの庭先の四阿。
立札には西郷、大久保、木戸会見所と書かれています。
木地むき出しの机や椅子、煙草盆など当時のままとのことです。

5月の木の花

ヤマボウシ(5月8日)


オールドローズ(5月23日)

野薔薇(5月25日

姫しゃら(5月31日)



  3月4 月、5月 庭の宿根草
一年中で一番花の多い季節、庭に出るのが楽しみな日々です。
ここに載せきれなかった花もかなりあります。












 

彩の12ヵ月  目次へ


Rurikon