季節の贈りもの

冬の彩り(2012年12月〜2013年月)

今年の冬は悲しい出来 事から始まりました。12月2日、母が突然旅立ちました。その朝までいつも通りに過ごし、9時44分には帰らぬ人になってしまったのです。あまりの潔さ に、遺された私達はいまだにその実感が持てないままに過ごしています。
今冬は、寒さがことのほか厳しく、1月14日に降った雪は凍ったまま1週間も居座って、 東京の 街を大混乱させました。こんなに長く雪が解けずに外出にまで差障ったことは記憶にありません。気温がどのように影響したのかは分かりませんが、山法師の照 葉は1月いっぱい保ち、雪とのきれいなコンビネーションを見せてくれました。その一方で立枯れる草木が沢山出て、冬も彩りを保つはずのパンジーやシクラメ ンも ずいぶん数を減らしました。雪の中でも元気を保ったのはジュリアンだけ、花壇の貴重な彩りとなりました。2月は3週間をボストンで過ごしましたから、やは り厳しい寒さの日々でしたけれど、除雪と暖房の行き届いた生活環境は、快適で、不便さを感ずることはありませんでした。冬の日々は地に足つかぬ気持ちのま まに流れていきました。




母との別れ


 それは本当に唐突に訪れました。何の予告も前兆も無しに。

 12月2日は日曜 日、丁度家族が揃っ て、いつもより遅い朝食が終わったところでした。義妹からの悲鳴のような電話、直ぐにかけつけた私の心を絶望が襲い ました。救命隊員の懸命な措置、救急車、市民病院の救命救急室、手を尽くしても母は蘇らず、9時44分永久に帰らぬ人となりました。
 まことに潔い旅立ちでした。そのことは 母にとっては幸いだったと思います。遺されたものにとっては忍び難いことでしたけれど。

 母が旅立った日、帰宅した私を一輪の白 薔薇が迎えてくれました。そして通夜の前日2輪目が咲きました。これは母の枕辺に添えて、天に旅立つ母の守りを託 しました。そして3輪目は49日が終わり、母が仏になって帰宅した日にやってきました。遺影に添えて、母の冥福を祈りました。

 冬には咲かない白薔薇が今年は3輪も咲 きました。その都度母からのメッセージを携えて。春にはまた母のたよりを届けに花は来てくれるのでしょうか。冬の終わり、新芽が育ち始めています。





クリスマス
母 はクリスマスが好きでした。ミッションスクール出身だったからかもしれません。私にとってのクリスマスの記憶も母の讃美歌から始まります。母を想って、今 年も玄関とショーケースにクリスマスのオーナメントを飾りました。今年は赤と白を基調に飾ってみましたら、気持にとても添いました。

母を囲んで兄弟姉妹が 集う予定だたクリスマスディナーは中止になりました。母と一緒でなければ何をするにも張り合いがありません。でもクリスマスの行事を大事にしていた母を偲 んで、イヴには家族だけでディナーをしました。




冬の彩り(2012年12月〜2013年2月)

12月はじめ、楓の照葉を背景に山茶花が咲きました。


一番最初に紅葉の始まる親木の照葉が色増して来ました。(12月4日)


楓のライトアップは12月5日

山法師は2月中旬まで色を保ちました。(2013年1月30日)


1月のショーケース(雪ん子)






雪 化粧

山法師は雪化粧。心待ちしていた景色が観れました。(1月14日)


こちらは雪の2日後、雪が凍っています。雪に埋もれたジュリアンを
レスキュー、潤って生き生きしていました。


2月飾り 節分

左は自作の鬼、右はうかい竹亭の玄関飾り



2月飾り マルディグラの マスク




2月をボストンで過ごして(2月11日〜26日)

15 年ぶりに真冬のボストンを訪ねました。行きも帰りも雪に見舞われる冬の旅でしたけれど、行事の多い時期でもありましたから、それぞれの祭りの彩りを飾りや ケーキの中に見出す楽しみもありました。大雪が道の両側に積み上げられていても、外出を控えるでもなく、いつも通りに活動的な人々に、大いに励まされる旅 で もありました。
年明けからボーイング787の事故が続いて、私の乗るはずのボストン直行便も見事にそのあおりを受けました。予定の便は代替機で飛ぶことになりましたけれ ど、帰りの便は欠航、出るまでに2点3転の末の出発でした。しかも着いた日には猛吹雪がボストンを襲うという気象異変にも出会って、まことにスリリングな 旅となりました

空港からの帰り道、嵐が近づいています。 (2月8日)


雪のあした (2月9日)
2日間吹き荒れたストームが止んで、外出禁止令が
解除されたのは翌日の夕方。ちょっとドライヴしました。


お祭りの彩り
2月は行事が多い月です。 雪のために家の中で過ごすことが多く
なりますから、良い気晴らしになるのでしょう。そのためかお祭りは
とても盛んで、大人も子供もその日に着るもの、カード、プレゼント選びに
とても熱心です。家族ぐるみで楽しんでいる様子がいいなと思います。
春待つ心が彩りにも表れているようです。

Mardi Gras
キリスト教の宗教行事です。 謝肉祭の最後の日、今年は2月12日(火)でした。
シンボルカラーは紫、金、緑です。こちらはケーキ屋さんのショーウインドーです。


St. Valentine's day  2 月14日
日本と異なり贈りものはお互いさま、女性から男性にというわけではなく、
大切な人にという事のようです。チョコ レートに集中と言うわけでもありません。


St. Patrick's Day 2月17日
アイルランドにキリスト教を広めた この聖者の命日だそうです。三位一体を
表す三つ葉のクローバーに因んで、この日のシンボルカラーはグリーンです。





Winter Brake at Harbor Hotel
ノアの学校が一週間の冬休みに入りました。娘も仕事を休んでのんびりす ることになりました。行った先はボストン港に面して建つホテルBoston Harbor Hotel、歴史のある古いホテルです。目の前が海、それにノアの大好きなプールもあって、私にとっては夫としばしば来た思い出の場所でもあります。

ホテルの船着き場


街には雪が残っていても、海は春を思わせます。


ランチは海を見ながらルームサービスで。


夕闇が迫った海を背景に。向こうの灯はボスト ン空港です。



Sunday Easter Brunch at Colonial Inn
ボストンに来ると必ず会う親しい友がいます。
今回はお互いの都合がなかなか合わず、月末になって
ようやく会えました。おみやげは小さな内裏雛と雛菓子でした。

色は圧倒的にピンク、ウサギと卵の世界です。






歓談の間です。





春待つ心



バレンタインデイに

フェアウェルパーティーで



ボストンの彩り

雪の前日の夕やけ
娘が「外を見て」と教えに来てくれた4色の夕やけ。
明日は雪と予報の出た前日のことです。ここでは
鮮やかな夕焼けを見ることが東京よりも多いような
気がします。




雪に見送られて
ボストンを発つ前日からまた雪が降り始めました。粉雪ではなく牡丹雪、
かなり激しく朝まで降り続き
ました。欠航を懸念しま したけれど、朝には
雪は止みました。そして美しく白化粧した木々が、野原が、私を見送って
くれました。最寒のとき2月、雪には縁 の深い滞在でした。


窓から見た林


雪原


秋には美しい紅葉を見せるメープルの木



帰宅した東京には早い春が訪れていました。庭にはまだ彩りが乏しく、点在する程度でしたけれど、
紅梅、白梅、それにクリスマスローズ、クロッ カス、ムスカリなどが日溜りで咲き始めていました。
気温の違いは、きっと20℃ほどある でしょう。でもボストン
は寒かったという思いより、思いだせ
ば心がぬくもる出 来事ばかり、色が
乏しい筈なのに、なぜかカラフルな場面ばかりが思い出 され
ます。彼の地は、やっぱり私の心のふるさとなので しょう。



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