2010年秋の彩り 秋は私の最も好きな季節です。朝のキリッとした空気、昼の穏やかな日差し、冴えた空に輝く月に懐かしい日々が重なります。気候の心地良さが心に落ち着きをもたらし、物事に前向きになれるような気がします。良い時間を大切に過ごしたいと思う日々です。 |
秋飾り
Welcome Wreath
玄関飾り
今秋ボストンからやってきた藁人形達です。
Halloween Ornaments こちらもこの秋ボストンからやってきた新顔です。
感謝祭の飾り
案山子
秋の動物達
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父と母は、石炭がまだ黒いダイヤモンドと言われていた炭鉱全盛期の頃に、家と家とのお付き合いから生まれたご縁で、家庭を築いたそうです。お話が出た当時父はまだ学生で、ちょうど夏休みで帰省中だったとのこと。「ひとつどんな娘か見てみよう」と、母がお花の稽古からの帰り道を待ち伏せして、通行人を装いながら母を観察したといいます。何も知らない母は、日傘をくるくるとまわしながら、踊るような足つきで、楽しそうに通り過ぎて行ったとか。「お声を掛けなかったのですか?」「ご挨拶もなさらず?」と私がちょっとからかい半分に訊ねましたら、「貴女方には分からんじゃろうのう」と父は遠くを見るような目つきをして、静かに言いました。「私にはそれだけで、充分じゃった。その時この人をもらおうと心が決ったです。明るうて、そりゃー可愛かった。言葉では表せんです」。その時私は、はっとしました。父が、深いところで自分の心と会話していたことに気付いたからです。私は、自分の軽はずみを恥じました。母に父の言葉を伝えましたら、「おとうさまは、そねいな事を一つも私にやぁ、言うてくれちゃあないんよ。いつも叱られてばっかりじゃけーど、それでも本当はおとうさまがやさしいことはわかちょるんよ」と母。私はこうした父と母が大好きでした。 表面的には「男子たるもの」、「主人というものは」と母を従えて胸を張っているように見えた父でしたけれど、実は陰でしっかり支えてくれる母に感謝し、頼りにもしていたのだと思います。市長選の時にはトラックの荷台に乗って、父への支持をお願いし、後援会の方たちを労い、お願いに走り回っておりました。オーストラリアへの親善使節としての父に同伴した母は、現地の方たちと打ち解け、いつも座の中心にあって周囲を和ませていたと付き添った方たちから聞きました。父がそうした母をとても誇りに思っていたのは、私の子供達に「ああちゃん(おばあちゃまの意味)はたいしたもんでよ」としばしば言っていたことからも分かります。 父が旅立った時にはしゃんとして、みなさんにご挨拶していた母でしたが、私の夫が先立った時は、涙にくれる日が続きました。でも信心深い母は、祈りの中で悲しみを乗り越え、「貴女もお寂しいことじゃろうけえど、こればかりはしようがない。もう直ぐ会えるじゃろうから、それを楽しみにしていますよ」と、すぐにすっきりとした笑顔に戻りました。 母が私に伝えてくれていることは、声高に自己主張したり、相手を質すことをしなくても、相手に合わせながら、自分の芯は決して曲げずにいれば、事は自然に自分の思う方向に進んでいくということなのだと思います。私にはなかなか実行の難しいことではありますけれど。 2年前までは、飛行機での一人旅も厭わない母でしたけれど、最近は上京することもなくなりました。昨年宇部に帰ったきりの私は、母の笑顔に飢えています。お正月前には一度帰宇したいとしきりに思う今日この頃です。 2010年10月7日記す
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庭の秋
10月はじめ、楓は未だ緑のままですが、はなみずきの照り葉が、進んでいます。
次が姫しゃら。赤くなり始める順番を違えることはありません。
木の実、草の実
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すすき
今年はすすきが9月の終わり頃から穂を見せ始め、
10月の今、すっかり出揃いました。
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庭の赤
一ヶ月前には未だ緑色だった千両と万両が色付き、ピラカンサは色を増しました。
庭は赤一色の観があります。温もりを感ずるのはそのせいなのかも知れません。
ひとときの明るく、晴れやかな日々です。
![]() 姫しゃら |
![]() 楓 |
![]() どうだんつつじ |
![]() ピラカンサ |
![]() 万両 |
![]() 千両 |
庭でさえ紅が進んでいるのですから、ちょっと足を延ばして燃え立つ紅を見たいと、母と義妹を誘って箱根へ出かけました。11月10日のことです。もう紅葉は強羅まで降りてきていました。箱根美術館、三河屋蓬莱園は見頃でした。前日9日に大風が吹いて、芦ノ湖周辺の高台や山の楓は風に煽られ裸木になっていましたが、プリンスホテルの紅葉はまだ彩を保って見事でした。目と心を楽しませてくれる旅になりました。 |
三河屋旅館蓬莱園のもみじ
楓さまざま(蓬莱園)
箱根美術館を上から見る
空を覆う紅(箱根美術館)
箱根美術館では、日がちょっと翳ってしまいましたが、
後は終日碧い空に恵まれました。
一面の紅(箱根美術館)
プリンスホテルの前庭に聳え立つ楓
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冨士、芦ノ湖、鳥居
成川美術館裏手の山の中腹からの眺め。
冨士に雲はかかっていますが、雪は未だ見えません。