睦月(一月)の茶室

年が改まりました。あたりを包む空気さえいつもとは異なる清々しさに満ちているように感じられます。私どもお茶を学ぶ者達が、年明け最初に迎える行事が初釜です。初釜はお茶の世界の元旦とでも申しましょうか。この日の茶室の飾りつけは、新年を迎えた慶びと、この一年の日々の幸せを祈る思いを込めて、明るく,華やかな雰囲気作りを工夫致します。茶道具もこの日のための特別なもの、縁起の良いものを用意しおもてなしに努めます。平成14年を例にその日の飾り付けや道具立てを写真を添えてお目に掛けたいと思います。日頃からお茶を共に楽しむ方々と、和やかな内に一年の始まりを祝える幸せに感謝し今年も励んでまいります。

初釜

初釜の日の床の間、棚、掛け柳 

 茶室:広間八畳   掛け柳を部屋の右隅柱に青竹にて生けます。根締は紅白椿がきまりです。
床:軸 翁画 初日の出を仰ぎながら、太く逞しい松の前に佇む翁とおうな。新年を寿ぎ長寿を
祈る図柄です。花:長寿や豊かさを象徴する縁起の良い花を華やかに盛り込みます。
更にお正月ならではの鏡餅、干支〔午〕の香合を添えます。

 

床の間

軸:翁画 
 花: こけ松、菊、千両、葉ぼたん  花入: 唐銅広口
鏡餅  香合:午〔干支〕

 
 

竹台子  炉   掛け柳

 
道具畳の上、右隅の柱に掛け柳を生けます。根締は紅白椿







 


 
 

 

掛け柳を結び輪を作ります。これは茶の湯の心「和」を意味します。

竹台子

皆具: 建水、蓋置、杓立、火箸、 水指:黒塗手桶 
                        薄茶器: 住吉蒔絵
 
 

                                                      

炉と炉縁

台炭

炉縁:高台寺蒔絵    釜: 万代屋釜
台炭点前    香合:萩焼阿古田

 
 

茶入れ

茶碗

菓子

茶入:高取焼 あんこう形
島台茶碗: 和楽重茶碗
菓子: 梅ヶ香

 
 
 
 

初釜後の一月の茶室

初釜が終わると茶室は元の静けさへと戻ります。これから始まる日々の中で、茶室が心にゆとりを取り戻す空間であってほしいと願っています。



 
 

床の間の軸: 鶴宿る千年の松

床柱の花: 柳と千両  花器: 青竹

 
 
             

 

しめ縄を外し、道具はすべて唐銅の皆具となりました。

釜と炉縁

炉縁が真塗にかわりました

 
 
 

茶菓子

お茶を一層美味しく味わっていただく為に稽古日には季節を折り込んだ御菓子を用意するよう心がけます。 彩りの良いお菓子を幾つかお目に掛けることにいたしましょう。
梅三種
切山椒
鶯餅

 
 

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