娘とやきもの

 1979年に私と一緒にやきものを始めた娘(当時10歳)の上達には目を見張るものがありました。小さな手から無心に作り出される作品には表情があり、見る人の心をくすぐる温もりとユーモアがありました。
 出来上がった作品は、本人の部屋の本棚に上手に並べられて、一つの世界を作っていましたけれど、家の建て直しを機会に箱に納めました。それ以降10年間も納戸の中で眠っていたのです。今取り出して並べてみれば、そこに在りし日の情景が、その日々の匂いまで伴なって蘇ります。その頃(1979年〜1980年)の娘の笑顔をそのまま綴じ込めたような作品達を一堂に集めてみました。

 
 
動物達
先生から少しの茶色と白の土を分けていただき、自分の部屋に
篭って小指の先ほどの犬や猫、小鳥などを次々に作っていました。
それを陶芸教室に持って行き、先生に焼いていただくのです。
何の彩色も施さず、土の色だけで可愛い雰囲気を出しています。
写真は、ほぼ実物大です。
一列に並んだカルガモ



ウサギと野ウサギ

 
オーナメント
帰り道

子供が座っている藁束を蓋にした小物入

荷車を引く人:7cm
子供:4cm
荷車高さ:6.5cm
荷車長さ:7.2cm

お茶の時間

テーブルとティーセットのミニチュア

テーブル(4.5×3.5)cm
テーブルの高さ:3.5cm
椅子の高さ:2.2cm
椅子直径:2cm
ティーソーサー直径:1.5cm
ティーカップ直径:0.5cm

ブッシュ・ド・ノエルの香合

縦×横:(6×5)cm
高さ:4cm

茸が生えた薪の側面には
細かい年輪が入っています。

強い子狐

「キタキツネ物語」の映画を観て

高さ:3.5cm

母親、兄弟を失った子狐が、みなを偲びながら、
海に向かって遠吼えしている姿だそうです。

運動靴

長さ:9cm
幅:4cm

履き慣れた靴をモデルに

 

角型花瓶

口:(12.5×11)cm
高さ:16cm

土でカチッとしたシャープな線を出すのは
とても難しいと感じたそうです。

水指

口径:11cm
高さ:15cm

この頃、白萩の釉薬に魅せられていたようです。
母が運び出しの水指として愛用しました。


 
日用食器
砂糖入

土:信楽並 釉薬:白萩 スプーンはシャベル型
ティーカップ(薔薇一輪)

土:信楽並 釉薬:白萩 (母へ)
杯二種

土:信楽赤、釉薬:白萩 (祖父へ)
取り皿(紫陽花の葉)

土:信楽並 釉薬:織部、黄瀬戸 (父へ)
制作:1979年〜1980年(10歳〜11歳)

 
ミグ

13年間、家族の一員として過ごしてきた猫(ミグ)が、心臓発作で突然
旅立ったのは娘が高校生になった時でした。息子がミグの姿を描き、
娘が土でミグの姿を写しました。        

高さ:24cm     制作:1985年(16歳)


 
 このように、やきものを楽しんだ娘でしたが、私が自分の窯を持ち、それに没頭するようになってからは、一緒に通った頃のような熱心さは次第に失せて、時折自分用の食器を作る程度になり、今度はテニスとドラムに熱中するようになっていきました。
 今は、土に触れる時間はとても持てない生活を送る娘ですが、私の作品にはよく目を通してくれ、こまやかな感想を寄せてくれる最良の理解者です。

 

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