春まだ浅きボストン

 娘の所に急用が出来て、日本を発ったのは3月9日、雪が舞う日でした。成田近くの田畑は真っ白な雪化粧、冬景色の中を飛び立って、雪景色のボストンに降り立ちました。
 大地震が起こったのはそれから2日後のこと。誰に会っていても何を食べていても、心に重い石を抱え込んだような滞在となりました。皆無事の連絡は家族、親族から届いてはいましても。いくつかの用事を済ませて、予定を早めて18日に戻りました、わずか10日の滞在でしたけれど、その留守の間に日本は様変わりしてしまっておりました。車の少ない高速道路をするすると走りながら着いた家は計画停電の最中。忘れることの出来ないボストン滞在となりました。
 ようやく春の香りのし始めたボストンは、メープルの大枝に赤い小花がちりばめられて、何事も無いように人々が暮らしておりました。


飛行機の窓から見下ろしたNew York郊外の雪景色

Acton

娘の家の窓から見えるオークの林と木の根方の」残雪


窓から見える空。明るさが増してきました。

Concord Field
春の足音

雲がやさしく流れています。春の兆しのピンクがかった雲です。


カナディアン・ギース 春の使者です。
未だ雪の残る水辺で餌を食んでいます。5月頃から子育てが始まります。


コンコードフィールドに立つ1本メープル
秋には真っ先に色付きます。
 

St Patrick's Day
聖パトリックの休日:3月17日
この日はアイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの命日。
シャムロック(三つ葉のクローバー)がシンボルマークとして使われます。
これはキリスト教の三位一体(父と子と精霊)を意味しているとのこと。
シャムロックの緑色に因んで、この日にはあらゆる所に緑色が使われています。

 


シャムロックで飾られたカップケーキ


 
 

Easter(復活祭)
今年のEasterは4月24日
ご存知の通り、キリストが復活した日としてキリスト教徒にとってはクリスマスとならぶ
重要な宗教上の祝日です。春の遅い東海岸にもようやく春の兆しの見える頃ですから
春を呼ぶお祭りのように楽しみにしている人も多いようです。

イースター飾り

Wilson Farmのイースター飾り(リース)


イースターリースと花束


イースター・ブーケ


左はイースターグッズ、右はイースターブーケ 床の白い粉は滑り止め
 

ファームに満ちる春の花々


 

春の花と果物と野菜に溢れるファーム


 

春の果物


 

早春の空とメープルの木

足元には残雪がわずかにあり、風には冷たさが残っています。
でも空の色が明るくやさしくなりました。建物の前、後の木はメープルです。


近づいて見れば、メープルの枝がほんのりピンク色をしています。


もうこんなに枝いっぱいにメープルの小さい花が咲いています。


1週間ほどでメープルの小花が散ると、道は花で真っ赤に染め上げられます。

日に日に春めいてきたボストンを後に帰国の途に着きました。日本に起こった
大災害の時に、そこに居なかったことを後ろめたく思う気持を抱えて。
降り立った成田は薄暗く、エレベーターもエスカレーターも動いてはいず、
旅行者の顔にも空港の職員の顔にも笑みはありませんでした。

 

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