真冬の BOSTON
(2013年2月8日〜28日)

こ の時期のボストンは、1997年以来16年ぶりでした。寒さと雪の中の運転が怖くなって、良い時期ばかりを狙ってくるようになっていましたから。でも来て みれば、冬の 良さも思い出します。何といっても雪景色、深々と降り積もるさまも、朝日に輝く様も東京の雪と違うのはその圧倒的な量と、自然や大らかな風景との調和で す。それに冬の季節はイヴェントも多く、それぞれに特徴のある飾りつけを見て歩くのも楽しいことでした。

年 明け早々に確保したティケットはJALのボストン直行便、使う機種はボーイング787。これが事故続きで運航中止になったのは全てのスケジュールを整 えた後のこと。代替便で飛ぶという往は良しとしても、帰りの便は欠航となりました。運良く他の日に空きがあって戻れましたけれど、なかなかスリリングな出 だしではありました。それに加えて、出発の日はボストン周辺は猛吹雪の情報が入りました。それでもJALは飛ぶと言う。「嵐は飛行機が付いた3時間後に来 る そうです」とグランドホステスのお嬢さんはにこやかに凄いことを云いました。でも明言した通りでした。JALのパイロットには自信があったのですね。迎 えに出た娘 の方が顔が引きつっておりました。学校も職場も休み、二日間の外出禁止令が出ている厳戒態勢のボストンに着いたのは、私の乗ったJAL08便だけだったの です。それから2日間は家の中から降り積もる粉雪に見惚れて過ごしました。こんなに珍しい経験はまたと無いこと、なぜかこの度は止めようと思う気持が微塵 も無かったのが後になれば不思議です。心配もせず、恐れも感じずでしたけれど、周りは随分心配したようです。帰国の日のボストンは大雪のあした、着いた東 京には春一番が吹き荒れておりました。

   
 
ストームの雲
シカゴの上空辺りで窓の下にモクモクと湧き上がり空一面を覆う雲に出会いまし た。
見たことも無い広さと形が興味深くて写真を撮りましたが、その時これがストームの雲とは気づきませんでした。この頃天気図には渦巻くストームの気流がシカ ゴの上空にかかっている映像がテレビに写されていたそうです。ストームの上を飛んで飛行機が一足先にボストンに着いたという事だったのですね。これが JALのパイロットの最初からの飛行予定だったのでしょう。後で聞けばちょっと恐ろしい話ではありますけれど、JALのクルーの自信にあふれた言動と技術 に感動です。機長は確か市川さん。



空 港に着く直前、飛行機は真っ白な霧の中に突入して、何も見えなくなりました。次に視界が開けた時は目の前に滑走路が見えて。[みな様長いフライトお疲れ様 でした」と機長からの穏やかなアナウンスがありました。きっととてもほっとしていたのでしょうけれど、そうした様子は全く感じさせない誠に清々しい声でし た。カッコいいとはこうした時に使うのでしょう。外に出ると娘が緊張した面持ちで待っていました。「ああ良かった、本当に良かった」と感慨深げです。「あ れを見て」とフライトスケジュールのボードを指さしました。何と私の便の後は全てキャンセルの表示が出されていたのです。母が守ってくれたのだと瞬間的に 思いました。


 

ストームが去って
この日から二日間は外出禁止令が出て、窓から雪が舞う様子を眺めて過ごしまし た。
二日目の夕方、警戒が溶けて外に出ました。粉雪だった ので、木を真っ白に雪化粧
する風景はありませんでしたけれど、積雪は1mを越え ているようでした。


スーパーマーケットに出来た雪山です。



 
冬はイヴェントがいっぱい
雪に閉じ込められているかと思いきや、ボストンの人達は雪など
何のそのです。次々とやって来るイヴェントを大人も子供も楽しん
でいます。雪色を背景にカラフルな情景が繰り広げられて、退屈
する暇もありませんでした。

マルディグラ
マルディグラはキリスト教の祝祭日、謝肉祭の最終日だそうです。
今年は2月12日がその日に当たるとのこと、各地でパ レードが
行われます。紫、金、緑がこのお祭りのカラーです。写真 は街のお菓子屋さんで。


ご存知バレンタインデイ(2月 14日)




こちらはSt. Patrick's Day(2月17日)
アイルランドにキリスト教を広めた聖者の命日。
三位一体を表す三つ葉のクローバーがシンボル、色はグリーン。





 
雪の風景

滞在中に何回か雪に見舞われました。気温が少しずつ上がって、雪が
水けを含んでくると、それが木々の枝に積もって美しい光景を描き出します。

コンコードの野原です。



娘の家の前の林です。



 
冬のボストンの街

マサチュウ―セッツ州議会事堂
(ボストンコモンを左手に見て)


昔ながらのガス灯のある風景。ボストン経済の中心地(Financial District)は左手

ボストンシンフォニ―コンサートホール

ハーバード大学



Boston Harbor Hotel
ノアの冬休みに合わせて娘も休暇を取り港の近くのホテルに
滞在しました。プールがあるところがノアの第一希望、私は昔
訪れた懐かしい場所をとの希望が一致して、ここに決まりました。

海を挟んだ向こうは空港

窓の右手はボストンの中心地

窓越しに見えるのは空港の灯

右側の照明は滑走路

朝の海、係留されている

時々遊覧船が過ぎて行きます

朝食はルームサービスで

ロビーの花は日本的


 
Colonial Inn Sunday Easter Brunch
親友のG.さんと
春を待ちわびる人たちが、Easter日なんだ催しものに集います。
雪が降りしきる中、ホテルのダイニングは満席、賑やかな笑い声が満ちていました。






深い雪に 覆われているボストンの町々は、そのために何かが行き詰っている様子も無く、いきいきして見えました。経 済が上向いてきているのも影響があるのかもしれません。イヴェントの多い月でもあり、何処も人出が多いなと感じました。出る前から飛行機のトラブル、そし て道中のストームと例年とは異なる経験もして、思い出がまた沢山出来ました。「僕の誕生日には必ず来て」とノアから招待も受けたことですから、またきっと 6月にはJALに乗っているだろうと思います。787が6月に運航再開とのニュースもあって、ちょっと安堵しています。
 
 
 

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